初期の代表作で弦を集団的にグリッサンド運動させたり，楽器パートを細分化して音の密度を上げるなど後のトーンクラスタの先駆けをした曲である。

チェロの超難曲。ノモスは「法則」という意味で数学理論の一種である群論を用いて作曲された。極度にグリッサンドを多用し独特な雰囲気を出している。なお最低弦のピッチを少しずつ低くするという特殊技法も注目だ。

ノモスアルファの用法をそのままオーケストラに適用した作品で音の炸裂が聞ける。本来は団員が観客の中に入って演奏する。また打楽器が大活躍する部分もあって現代音楽初心者でもなじめる作品だろう。

クセナキスはコンピューターを使って作曲することにも興味を持っていた。 クセナキス自身がプログラムのフローチャートを書き、（主に物理学と数学の 公式から成り立つ）これを処理した出力結果が楽譜となった。ST/4はその カルテットバージョン。曲は急速なグリッサンド等を織り交ぜながら超絶技巧が ちらばめられている。曲を聴くと数的なシンメトリーが感じられるはずだ。

打楽器の一人演奏家のための曲。曲自体はa,bと2部分にわかれ、どちらを先に 演奏してもよい。aでは規則正しいリズムが後半に行くほどカオスティックな展開 になっていく。bはボンゴのビート上に突発的にグロッケンの運動が入り乱れ、 激しい動きが何度も見られる。一般に演奏されるのはｂで、是非演奏会等で白熱した 動きを見てもらいたい。

大オーケストラのための曲である。特に注目して欲しいのが中間部で打楽器の規則正しい運動上を始めは金管、最終部では木管が入り、上昇音型をひたすら上り詰め、クライマックスへ到達する。最後はピッコロが名残おしいようにこだまのような響きを残す。