サイン波や正方波を用いる電子音楽の最初の作品 と言われている。楽譜には周波数と音の強度のみが指定 されている。

完成すると全24曲となる作品でまだ一部しか出来ていない。12音音楽，偶然性など数多くのチャレンジをした作品である。そのため数多くの作曲家の教科書的な作品になっている。特に有名なのが11番で，これは偶然性音楽 の代表作品となっている。具体的にいうと、曲が数個に 断片化され、演奏者は自由な順序でそれを演奏する。 ただし、次のフレーズを演奏するときは前の フレーズの最後に書いてある指示(音の強さ，アタック等）で演奏しなければならない。 最近の作品ではピアノ鍵盤を足で踏むなどの アクション的な要素が増えているらしい。

なんと3つのオーケストラを同時に演奏して しまうという曲。12音音楽を拡張して空間に 対してもある秩序を立てて音を決めている。

電子音楽と通常音楽(打楽器，ピアノ等）を同時 に演奏した最初の作品。特に導入部が衝撃的で電子音の効果がかなり 効いている。

打楽器演奏者ではすでにメジャーな作品となっている 超難曲。楽譜はリング状に閉じており，演奏者は好き なところから演奏を開始でき、左右どちらに進んでも よい。また楽譜を上下逆さまに演奏してもよい。 いわゆる偶然性の音楽であり、演奏者はそのセンスが 要求される。「出来るだけ早く演奏する」といういう 指示があるところは聞き応えがある。

銅鑼を様々な物質で叩いたりなでたりして その音を電気変調機で変化させ聴衆に聞かせる。 銅鑼一つでこんなにも音質が変わってくるのかと 驚くはず。

国歌をテーマに変奏曲にした。3バージョンが あるがそのうちオーケストラ版はオーケストラ 各パートにあるマイクを通してリアルタイムに 変調され電子音と同時にスピーカーで流される。 部分的に調性が残っているので比較的聞き易い。

12宮すなわち星座をモチィーフにこの曲は 実はオルゴールメーカーからの依頼によって 作られた。そのため単旋律で前衛的な響きは ない。シュトックハウゼンを聞くのに一番 抵抗のない曲だろう。なお演奏楽器は特に 指定されてない。

シュトックハウゼンは20年ほど前からオペラ 「リヒト（光）」を構想している。これは7つの曜日 の名前がつけられた曲から成っている。 そのうちの一部を構成するこの曲は 弦楽四重奏楽団がヘリコプターに乗り込んで空中で演奏 すると言う凄い発想の曲(爆笑）!!! 聞いてみるとヘリコプター の上昇する音と弦楽器の音が程良くミックスして予想以上？になかなか 良い仕上がりになっている。演奏者は 曲中で「アイン，ツヴァイ...」(ドイツ語で 1、2...)と発する。