12音音楽をベースにしながらも古典的な 楽章の破壊等を試みる。印象としては「鋭く，緊迫した 」音楽が長時間続くと考えればよいでしょう。

メシアンの影響を受け，トータルセリーの音楽 を作り出すが，これはその代表作である。 2台のピアノで演奏される。この後彼はトータルセリー を放棄し管理された偶然性の音楽を目指す。

厳密なトータルセリーを放棄したブーレーズは 通常のセリーに立ち返り彼の代表作と 言われるこの曲を作った。シェーンベルクの 「月に憑かれるピエロ」との類似性が指摘されている。 また，楽器がギター，ビオラ，ヴィブラホンなど と非常に特殊な編成を取っており，その楽器同士 には密接な関連がある。

ケージの影響を受けて偶然性の音楽を取り入れた 「アレアトリック」の代表作。指揮者は10個の ブロックの演奏順を決定する。すなわち、指揮者に よって演奏パターンが変わるのである。また速度 を「一息で，できるだけ早く」という表現等 を使って不確定さを残した

現代音楽にしては聞き易い作品。生のクラリネットと それ以前にテープに録音したクラリネットの音色が ホールの中で交錯する。テープと生のクラリネットの 掛け合いが面白い。実際の演奏会では テープ部分と生の演奏部分で照明を変え， 観客にその違いをわかりやすくする工夫が ある。躍動感のある作品。

生のオーケストラの音を瞬時に電子的加工をして， スピーカーで流すという「ライブエレクトリック」の 代表的な作品。スピーカーを観客の周りに配し、 音を流すスピーカーを時間によって移動することに より観客が空間音楽を理解する仕掛けになっている。